一日一安

一日一日をやすらかに、心身の健康をたいせつに。

創作恋愛話1-1(全4回)

ーーーつまんない。

 

 

ナミは車窓の外を見ながら、隣の運転席にいるタカヒロに聞こえないよう、ため息をついた。

 

タカヒロとはもう3年の付き合いになる。

それなりにマンネリ化しており、愛情も薄れてきているのを感じていた。

 

嫌いになったわけじゃない。

ただ、どうしようもなく退屈なのだ。

こんな夜は。

 

「いつものところ行く?」

 

タカヒロが提案する。

最近よく行くラブホテルのことだ。

 

ラブラブな時期なら「いつものところ」という言い方に喜びも覚えただろうが、今はいらだちさえ感じる。

 

「今日はやめとく」

 

なんで?生理?とデリカシーのない言葉が続く前に、ナミは早口で続けた。

 

「そういえばゼミの論文書かなきゃいけないの思い出した。あ、その辺で降ろしてくれる? ちょっと集中したいからしばらくメールしてこなくていいから」

 

呆気にとられるタカヒロを残して、ナミは車を降りた。

 

「じゃ、またね」

 

笑顔をつくりながら、頭の中ではこのあと行くカフェをピックアップするナミだった。

 

 

 

つづく。