ここに引っ越してきてから、夜一人でベランダに出てボーッとすることがある。
だいたい孤独を感じている時で、それを紛らわすためにそうする。
星を見上げて、遠くに走る車のライトを眺めて、向かいのマンションに住む他人の姿を見かけたりすると、不思議と心が落ち着く。
みんな生きていて、それぞれ人生を生きているんだなと思うと、見しらぬ人でも仲間意識が湧くのかもしれない。
こんな孤独感を、物心つくかつかぬか位の少女の時に感じたことがある、と唐突に思い出した。
家族がいるのに(あるいはいるから?)感じる孤独。誰も自分のことを分かってくれない。人生はどこまでいっても独りだ。甘えのような悟りのような感情。
そんな時、決まって思い出していたのは亡くなった祖父のことだ。優しかった祖父なら、きっとこんな私を慰めてくれる。そう思うと少し安らかな気持ちになれた。
今は、亡くなった母の事を思い出すようになった。空から見守っていてくれている、と思うと、涙が出る。そして少し元気が出る。
自分は一人でなく、色んな人に支えられながら生きてきたと思う。だからこそ、自分の感情くらい自分でうまくコントロールしたい。
もういい大人だしな。
いつかそれがうまくできるようになったら、こんな感情は思い出せなくなるかもしれないので、書いてみた。